高志（玉山鉄二）は大学を辞めようと思うんだけど、実は奨学金で入った大学だから辞めるとなるとその費用を返さなきゃならないって事がわかるわけ。

一方で牛の出産に立ち会った統平（小出恵介）たちは子牛に名前をつけて、自分たちで世話をしようとやる気を出してたのに、高志の「ペットじゃない。経済動物だ。」の一言でガッカリしちゃうんですわ。
でも、高志がそういう事を言ったのは、かつての自分が愛情を持って育てていた子牛に死なれたからなんだよね。
牧場では一頭いなくなれば一頭補充する・・・ただそれだけ。
名前なんかつけて愛情を持って接していれば、それだけ辛くなる。
割り切ってなきゃ、こんな仕事はできないって事を伝えたかったんでしょうけど、高志のようにぶっきらぼうに言われちゃ、なかなか真意は伝わりませんよね。(^▽^;)

そんな高志だけど、やはり牛の出産の一件でみんなには一目おかれたようで、何かというと頼りにされちゃうんだよなぁ。
子牛の具合が悪い時も、統平が「ただの消化不良」と診断しているにも関わらず、和美（戸田恵梨香）は高志の意見を求めてるし・・・。
結局、高志に聞いても「ただの消化不良」で結果は同じだったんだけど、高志が言ったというだけで「良かったぁ」と安心してるし・・・。
そりゃ、統平は面白くないでしょうよ。

東京へ帰るつもりで寮を出た高志に和美がいなくなったという連絡が入る。
で、和美はどこにいたかというと、子牛が心配で牧場に泊り込んでいたのよね。
そこまでする理由を高志が尋ねると「牧場が夢だった」と答える和美。
父の会社の倒産、借金、両親の離婚、そして家族はバラバラに・・・。
そんな身の上を語った和美には、家族で最後に行った牧場が楽しかった最後の思い出の場所として残ってたのね。
牧場を作って、家族みんなで一緒に住みたい。
高志の家が羨ましい。

人が憧れるような家で育ったくせに、自分はその家を捨てようとしている。
高志はその事に気付いたんでしょうか？
牧場に泊り込んだ和美にかけてあった毛布は弘志（大杉漣）のお気に入りでしたよね？
「子牛の事は自分たちでやれ」と突き放しておきながら、ちゃんと見守っていた弘志。
厳しいだけじゃないって事、少し客観的に見ることが出来たのかもしれないですね。

子牛に名前なんて・・・と言っていた高志が、子牛の名前候補の中から和美がつけた「グリーン」という名前を選び、ひと夏を牧場で過ごすと決めた。
統平は面白くないと思うけどね。(^▽^;)